違和感のこたえ


今さかんに放送される支援CMや報道される支援活動に感じる違和感の理由はこれだと思った。

頑張れとか復興とかって、多分、今言うことじゃない。
http://anond.hatelabo.jp/20110407001402


被災者の兄に電話して言われたことを書き留めたとされる記事である。
ただしちょっと過激な部分もあり、
反論コメントもいっぱいなのでご注意を。
また匿名につき信憑性は不明ですが、
ここでは事実として記事を展開します。
記事のように感じる人の存在も感情もあって然るべきと思うから。
その辺ふまえ、私の様に復興支援のCMや活動に漠然とした違和感を感じている方はご一読を。


以下抜粋(“斜体文字”)と私の感想や補足。


“おまえ、家ないのに頑張れる?”


帰る家もないのに頑張れるか?・・・
あの日てくてく何時間歩いても帰りたかったのはそこに家があったから。
疲れても休める場所が。
もし帰り着いてそこが変わり果てた状態になってたら・・・
と想像したらどうだろう。
私はしばらく頑張れないと思う。


そう。
今、がんばらなきゃいけないのは、家も仕事も
震災前とかわらずにある人達なのだ。


だから、
『がんばろう、日本』
ていうスローガンに違和感を感じたんだ。
『がんばろう、俺(俺達・私・私達=CMの出演者)!』
じゃなかったから。
がんばらなきゃならないのは、被災者以外の日本人なのに。


そして


“今はこっちで頑張るから、おまえらは1年ハワイでゆっくりしてきな”


ぐらい言うべきなんだ。そのくらいの経済的余裕を堅持して。


避難所で見る復興支援CMの言葉は、他人事にしか聴こえないようだし、支援ソングも、
今あったかいとこでぬくぬくしてる人に歌われても、
それはやはり他人事にしか聴こえないようだ(記事中ではもっと別の言い方してるけど、
また歌ってくれた人のファンだったらまた違うかもしれないけど)。
そんな浮ついた言葉や支援よりも、


“ビジネスで、仕事として、町を復興に来てくれた方が、
 こっちも気兼ねなく色々頼めて気が楽。”


だれかが『ありがとう』って言わなきゃいけないプレッシャーについて語ってたけど、
ビジネスならその心配がないから気兼ねがないって事だと思う。
無用な親切は迷惑ってことを、心しておこう。


また、復興支援CMや支援ソング・活動も、
目的をもった広告や商品・キャンペーン活動であり、
ほんとうに、届けたい人に届いて、目的を遂げるCMや商品を作るなら、
いつもしてるみたいに、ターゲットマーケティングをしたほうが良いと思うけど
たぶんしてないと思うのは、メッセージがステレオタイプにだから。


その肝心なところ(ターゲット設定)がズレて感じるから、
いくらまじめな顔して言われても、美辞麗句で歌われても、
ちっとも感動しないのはだからなんだと思った。


以下、参考>
主な支援関連CM&活動のスローガンとメッセージ、ターゲットの書き出しと感想。
長くなったので隠します。




露出されてる支援関連のスローガン、
映像&コピーのメッセージと、
それぞれ一般的に想像出来るターゲット(→)。


ACジャパンの支援CM

1-長友選手らの国際映像と国際電話
http://www.youtube.com/watch?v=Pre2YcOROnk
スローガン> みんなでやれば大きな力に→みんなということは視聴者全般?
映像&コピーのメッセージ> ひとりじゃない、日本はチーム→被災者
実際のターゲット> 被災地以外の視聴者、停電被災地の試聴は困難


2-スマップ、トータス松本
http://www.youtube.com/watch?v=Ju2-qVl-e0Q&feature=related
スローガン> 日本の力を、信じてる→視聴者全般
映像&コピーのメッセージ> スマ:ひとりじゃない、トータス:みんなで頑張れば乗り越えられる→被災者
実際のターゲット> 被災地以外の視聴者、停電被災地の試聴は困難


上記ふたつは、タイミングや映像が被災者に向けた色が濃かったと思います。
でも実際は一般視聴者が目にする機会の方が多かったと思います。


3-節電とかの啓蒙 
ttp://www.youtube.com/watch?v=l_c9YRzXgAQ&feature=related
スローガン> 今わたしにできること。みんなでやれば大きな力に。→被災地以外の視聴者
映像&コピーのメッセージ> 節電、デマ、買い占め→被災地以外の視聴者(Vのトーンはドキュメントタッチ)
実際のターゲット> 被災地以外の視聴者


サントリーCM
いろんな芸能人が歌う企業CM「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を
映像&メッセージ> 曲タイトル、歌→視聴者全般
http://www.suntory.co.jp/enjoy/movie/d_s/880953901001.html


↑のはサスガと思いました。曲名だけで説明的なコピーやナレがなくても誰もがその人の立場で受け止められるメッセージになってるところとか。


●フジテレビ キャンペーン「ひとつになろう日本(にっぽん)」=募金募集
スローガン> ひとつになろう日本(にっぽん)→視聴者全般
映像&メッセージ> 力を合わせて乗り越えよう→被災者
募金募集→一般視聴者
http://www.fujitv.co.jp/japan/


J-WAVE 救援物資コーディネート
スローガン&メッセージ>
Heart to Heart つなげるココロ→リスナー
http://www.j-wave.co.jp/topics/1103_hth.htm


●ジャニーズ募金
 「Marching J」 直訳:行進するジャニーズ
メッセージ> 節電、復興支援啓蒙→一般人
       募金募集→ファン
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/entertainment/news/CK2011040202000169.html


アップフロントグループ 「がんばろうニッポン 愛は勝つ」プロジェクト
 =主に募金活動
スローガン&メッセージ> 「がんばろうニッポン 愛は勝つ
            →一般人(被災者含む?)
            募金募集→ファン
http://music.jp.msn.com/news/article.aspx?articleid=550837


●Mr.Childrenチャリティーソング「かぞえうた」(収益寄付)
ターゲット> 楽曲→被災者向けメッセージ
       配信→般消費者
http://www.daily.co.jp/gossip/article/2011/04/03/0003918205.shtml


●ユニバーサル ミュージック
「アイのうた〜東日本大震災チャリティ・アルバム」(収益寄付)
ターゲット> 楽曲→被災者向けメッセージ
       配信→般消費者
http://www.daily.co.jp/gossip/article/2011/04/01/0003911307.shtml


グローバルダイニングラ・ボエム/モンスーンカフェ/ゼストなど)
 震災復興支援キャンペーン(募金、ドリンクキャンペーン。チャリティーイベント)
 スローガン> みんなで国難を乗り越えよう!
 ターゲット> 来店者
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000000936.html


こうしてみると、ターゲットのより広いものに、スローガンとメッセージの乖離が見られる気がします。
だいたいスローガンは国民向け、映像や表現は被災者向けのトーンという定型になってるような。
ジャニーズなど芸能人による募金キャンペーンは目的(募金活動)&ターゲットは明確ですが、
対するメッセージは一般的。
チャリティーソングは、ターゲットが2重構造になってます。
リアル店舗によるキャンペーンはターゲットが明確なぶんメッセージもシンプルです。