かなわぬ夢は夢なのか

プロ野球選手になりたい女の子のドキュメントを見ました。

小さい頃から野球が大好きで、イベントで出会った王監督の言葉を胸に
男の子に交じって本気でプロ野球選手を目指していた女の子は、
中三になり体力や高校野球の規定など性別の壁にぶち当たります。
日々打ち込んでいた練習も止めてしまいます。進路もなかなか決められません。
そんな彼女の日々が淡々と綴られていました。
それを私はなんだか苦々しい気持ちで見てました。

高校野球の規定うんぬん以前に、ただでさえずば抜けた身体能力を要求される
プロの世界で通用するには余程すごい才能がないと厳しいとゆうか、
もうハッキリ言ってしまえばちょっとやそっとで女の子がプロ野球選手なんて
ほとんど無理だと思うのです。
そんな“かなわぬ夢”でもないよりある方が良いと言えるのでしょうか。
その答えの葛藤が苦々しさの正体のように思います。

イベントで小学生だった彼女に『女の子でもプロ野球選手になれますか?』
と問われた王監督は『君が大きくなって能力があればルールを変えましょう』と答えます。
つまり頑張ればなれるという風に彼女は受け取った訳です。
その言葉があったからこそ今まで野球に打ち込めたとも言えますが、
またそのせいで大きな頑張るだけでは越えられない壁にぶち当たってしまったとも言えます。
この時の王監督の言葉には確かに間違いはないでしょう。
でもそれで大きくなって彼女が進路に思い悩む事になるとは
思ってもいなかったのではないでしょうか?
子供に対する言葉のというのは思ってる以上に重いのかもしれません。

幸い彼女はプロ野球選手になるのとは別に野球が大好きだったことを思い出し、
再び練習をはじめ、女子硬式野球チームのある高校への進学を目指し元気を取り戻しました。
でも夢を見失った全ての人が、また夢を見つけまっすぐ立ち直れるのでしょうか。

“夢を持つのはすばらしい”とか“夢見れば必ずかなう”とか、
七色の輝きを持つように見える“夢”という言葉について考えさせられた番組でした。

【引用始まり】 ---
NHK にんげんドキュメント 3/5放送(3/10再放送)
王監督がくれた夢〜15歳 白球にかける少女〜』
久留米市の中野菜摘さんは、現在中学3年生。王貞治監督からの励ましの言葉を胸に、
プロ野球選手になる夢に向かい走ってきた。
高校生になると男子と一緒に公式戦には出場できないなど、
様々な悩みを乗り越え夢に向かう姿を爽やかに描く。
【引用終わり】 ---