アルバム『Click you Link me』レビュー

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Click you Link me
松浦亜弥

リリースして一週間たちますがそろそろレビューを。
亜弥ちゃんのツイッターでも創作中の呟きがあった今回のアルバム。
そこから感じられたのは亜弥ちゃんの歌に対する真摯な姿勢。
そうして創られた今回のアルバムは、楽曲の雰囲気もそれに合わせた歌声も色とりどりです。

作家を確認するまえにまずは楽曲のひととおりの感想を。
あとで作家を確認してそれについて書きます。
アートワークと総括も文末に。
以下ネタバレにつきご注意を。

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【引用始まり】 ---
1.The Difference
間奏のギターがカッケーブルースナンバーですね。亜弥ちゃんの歌声も凄みがあります。欲をいえばもっと壊れても良かった。フェイクとかアドリブとか。

2.Feel Your Groove
3.砂を噛むように…NAMIDA
2はアルバム『Naked Songs』に収録されてた曲の、3はシングルのリメーク。どちらも前よりライブ感が増してる感じ。『砂を…』のほうはシングルよりまったりした感じがします。

4.横浜ロンド
本編では悲しげなメロディを切々と歌ってて、エンディングのスキャットは冬の夜風みたいにじんと沁みます。その歌声とスキャットのギャップに哀愁すら感じます。

5.ホームにて
亜弥ちゃんのシュっとした伸びやかな歌声がひとつひとつの詩の言葉をまるで彼女の私小説みたいに届けてくれます。だからか聴いてるこちらも自分の物語のように聴いてしまう、思わず空を見上げたくなる曲です。

6.Click you Link me
アルバムタイトルになってるこのナンバーはスケール感のある伸びやかな楽曲ですね。

7.語り継ぐこと
笛の音やメロディがエキゾチックな和な感じの曲ですね。歌声もコブシっぽかったり。こんなのも歌えるなんて器用ですね。

8.interlude 〜Okay〜
タイトル通りのアルバム全体の楽器演奏のみの間奏曲。

9.渡良瀬橋
元祖森高さんをフィーチャーしたリメーク。その元祖を知らない私にはこれもまた亜弥ちゃんが元祖だったりしますが、終盤に登場する森高さんの歌声が亜弥ちゃんに似ていてヘェ〜と思って、そういえば某吉澤さんもなっちもそうだったなと。これは偶然か必然か…

10.dearest.
2と同じく『Naked…』収録曲のリメーク。
前のストリングスをフューチャーした壮大なアレンジだったの対しこちらは、ブラス隊が印象的なアレンジで、なんかビックバンドを従えてステージの真ん中でスポットライトを浴びて歌う亜弥ちゃんが思い浮かびます。

11.only one
これ良いですね・・・
いわゆる叶わぬ恋の歌なんですが、その逡巡する心の行き着く先はonly one=ただ一人のひとだから、という詩の飾り気の無い等身大の言葉を、どこか淡々と静かに歌う亜弥ちゃんの歌声にとってもあっていて、それが切なさを醸し出していて、聞いててじわしわ沁みてきます。

12.ひとり
シングルカップリングのリメークですね。これもライブを意識したアレンジな感じです。

13.みんなひとり
待望の音源化!松さんの歌うこの曲も聴いて知ってましたが、私にはもうこの曲は亜弥ちゃんの十八番。亜弥ちゃんは誰を思い浮かべなから歌ってるのかなって思ってしまいます。このアルバムを手にした写メを送ってきたというあのコかな…とかね。そう考えると歌ってる人のバックボーンを知ってるかどうかも、楽曲の大事なスパイスだと思います。
【引用終わり】 ---

では、作家陣をチェックしてみます。
1.2は作詩作曲とも英語名の方ですね。4は作詩はダブルレインボウとかの久保田さんですが作曲は知らない人っぽいお名前。5はスガシカオさんの曲だったんですね。1もスガさんぽいって思ったけど。6の人も知らないな。7の作詩の人は元ちとせさんのを多く手がけてる人みたい。?! オーガスタとなんかパイプでもできたかな? オーガスタのアーティストさんはみんな割と好きなのでだとしたら大歓迎ですが。11は亜弥ちゃんのライブでベースを弾いてるひとの曲でした。モダチョキの人だったのか。そういえばいつかのライブで面白い即興の歌歌った人がいたけどあの人かな。楽曲のイメージがいや見直しました

最後にジャケなどアートワークについて。
今回は50’60’のアメリカンな感じのジャケですね。ディスクのマットシルバーにうすい紫とシックで良い感じ。ブックレットのイメージフォトのスッチーコスの表情とか裏表紙のビッチでセクシーなのも良い感じ。ブックレット中のイメージフォトはユニークでどれもよく出来てると思います。

今回のアルバムはライブをお休みしてから初の作品な訳ですが、亜弥ちゃんをとりまく環境のなかで精一杯良い作品を創ってくれたと私は思っています。確かにリメークが多いけどそれもひと手間かけてなんとか良いものにしようという気持ちもひしひしと感じられますし。だからこその全曲新録音なんだし。
このアルバムを聴いた後にこの記事を読むと良いと思います。
http://news.livedoor.com/article/detail/5170821/
誰かと良く似た悩みに立ち向かっていてまるでジャンヌダルクみたいです。だからなおさら『みんなひとり』はすごーく彼女の事が思い浮かぶし、亜弥ちゃんが歌うこの曲にリアリティを感じるのです。