ディーバの歌声は消費されたのかもしれない
訃報から数日たった今、彼女の近況を知ればしるほど、
ディーバ=歌姫と呼ぶのがはばかられてしまう今日この頃。
以下その理由を書く前にまずは、彼女の来歴をWikiをベースにまとめ。
(なので当然新しいお話ではありませんのであしからず)
幼い頃にゴズペルを学び、ティーンになってモデルデビュー、
チャカカーンのバックボーカルをつとめてる時プロデューサーに見いだされ
1985年デビューアルバムをリリース。
その中の楽曲や、その後出演した映画主題歌で全米1位を獲得
(もちろんグラミーもごっそり受賞している)。
ここまではいわばシンデレラストーリー。
その後DV夫ボビーブラウンと結婚してから(その苦痛から逃れるため?)、
大麻や薬物、アルコールにむしばまれ依存から立ち直るためにリハビリを続ける中で
ボビーと離婚(彼との間に娘をもうけていたが)。
2009年に久しぶりにアルバムを発売しビルボード1位を獲得、
2010年日本を皮切りにワールドツアーを行うも、評判ははかばかしくなかったよう。
その後再び薬物やアルコール依存、果ては金銭トラブルまで報じられ、
奇しくも2011年グラミー賞発表の前日、
レセプション出席のため宿泊していたホテルで帰らぬ人となってしまった。
Wikipedia ホイットニー・ヒューストン の項をもとに編集
( )は加筆部分
上記から推測するに、
一度は立ち直ろうと努力したのに、再び薬物やアルコールに手を出してしまったきっかけは、
たぶん復活アルバムやライブのように思えます。
訃報翌朝のワイドショーで心ないMCがポロっと言ってたけど、
彼はこれまであしげくライブに行ってたのに2010年のライブには行かなかったそう。
なんでも関係者に全盛期を知ってるなら行かない方がいいって言われてたんだとか。
それを訃報に際して言う神経もどうかと思うけど、
関係者がこーゆー事行ってるようじゃね・・・そりゃ失敗しますよ。
そしてこの自称音楽ファンをかたるこのMCみたいな、
自分の耳に叶わないとプイとそっぽを向いちゃう自己中な音楽ファンに、
消費されちゃったのかも・・・とも思ったのです。
音楽も売り物なんだから、モノと同じに消費されてしまうのも仕方ないけど、
それを生み出した人間まで同じに扱うのはまさに「心ない行為」。
自分を楽しませてくれたモノを生み出した人に敬意をはらっても良いのでは。
ホントのファンなら彼女がリハビリを乗り越えて再びステージに立った事を
まず喜んで祝福しても良いじゃないですか。
コンディションの善し悪しを言うのはそれからでも良いし、
それもポイ捨てする人にそれを言う資格はないのではないでしょうか。
歌声や評価の現状を痛感して落ち込んで安易な快楽に走って、
それで今回みたいな事になったのも彼女の弱さゆえかもしれないけど、
こんな風に思うと、おなじみのあの曲もこの曲も
聴くと複雑な気分になるのです。